NPO法人となる要件

NPOが法人格を取得することによるメリット

一般にいうNPOは、民事法上の「法人でない社団」(「権利能力なき社団」「人格のない社団」「任意団体」などともいう)に該当しています。「法人」というのは、人間(「自然人」)と同じように、法律上の取り決めによって権利や義務の主体となることを認められている団体などのことをいい、株式会社や地方公共団体などはその典型的な例です。
逆に法律上、団体として権利や義務の主体となることが認められないと、たとえば銀行口座の開設や不動産の登記などの際には会長などの個人名を使わなければならないなどの、さまざまなデメリットが生じます。もしも会長に別の人が就任したり、在職中に死亡したりした場合には、団体がもっていた財産と会長個人が持っていた財産の見分けがつかなくなったり、相続をめぐるトラブルに巻き込まれたりしないとも限りません。このような状態では当然ですが社会的な信用を得ることも難しく、団体が活動を続ける上で不可欠なお金や事務所を借りる機会も制限されてしまうかもしれません。
そこで「特定非営利活動促進法」の規定にもとづいて法人格を取得することによって、NPOが団体名義で独自に契約をしたり、不動産登記や銀行口座の開設ができるようになるといったメリットがあります。何よりも団体の役員がたとえ変わったとしても、団体がただちに解散することはありませんので、過去の契約などの他者との約束事もそのまま引き継ぐことができ、活動がしやすくなるといったメリットがあります。ほかにも国や都道府県、市区町村からの補助金や助成金の多くが法人格があることを条件としていますので、こうした補助金や助成金などの資金調達の手段や機会が増えることもメリットです。
ただし、一方では法人格を取得することにはデメリットがないわけではなく、「特定非営利活動促進法」をはじめとする法令の規定を踏まえた事業運営が求められるほか、情報公開などの義務が課せられることになります。


NPO法人になるための要件とは

特定非営利活動促進法にもとづきNPO法人となるには、いくつかの条件を満たしている必要があります。次の条件は特定非営利活動促進法第2条に掲げるNPO法人の定義や、第12条に掲げる認証の基準といった規定から抜粋したものです。

  1. 特定非営利活動を行うことを主たる目的としていること。
  2. 営利を目的としないものであること。
  3. 社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと。
  4. 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること。
  5. 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。
  6. 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。
  7. 特定の公職の候補者(候補者になろうとする者を含む)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とするものでないこと。
  8. 暴力団でないこと、又は暴力団若しくはその構成員等の統制の下にある団体でないこと。
  9. 団体が10人以上の社員を有するものであること。

これらを要約すれば、特定非営利活動に該当し、営利・宗教・政治活動を目的とせず、反社会的勢力ではない、一定数の社員を持つ団体であることが条件となっています。


解釈の上での注意

この法律でいう「社員」は「社団の構成員」の意味で、社員総会に出席して表決権を行使する資格のある人、つまりはNPOの「正会員」のことを指しています。事務職などとして団体に雇われている人のことを指すわけではありません。
「営利を目的としない」とは、非営利とは、役員などの団体の構成員に利益を分配しないという意味で、必ずしもすべての活動を無償(タダ)にしなければならないというわけではありません。株式会社のように利潤追求が目的で、儲けたお金を役員や株主に報酬や配当として分配したりすることはできませんが、正当な活動の対価を受け取って職員の給料を支払うことはできますし、本来事業に支障のない範囲での収益事業を営み、団体としての活動費に充てることも可能です。