ファミリー・サポート・センター
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ファミリー・サポート・センターは、仕事と子育ての両立のために、子供の預かりなどのサービスを提供している組織です。
ファミリー・サポート・センターとは
ファミリー・サポート・センターとは、子育て支援をしてもらいたい人と、支援をしたい人が、ともに会員となって、地域での支え合いをするための組織です。
働きながら子育てもできる環境をつくるため、厚生労働省が全国的に推進している事業の一環で、すでに700か所以上の市町村で、地域のなかにファミリー・サポート・センターが開設されています。
単独の市町村ではなく、なかには複数の隣接する市町村があつまって、共同で設置しているケースもみられます。
ファミリー・サポート・センターのサービス
ファミリー・サポート・センターの利用会員になると、さまざまなサービスを受けることが可能となり、仕事と子育ての両立がしやすくなります。
具体的にどのようなことを依頼できるのかについては、市町村によっても異なりますが、一般には次のようなことが挙げられます。
- 保護者が忙しいときに保育園や幼稚園への子供の送り迎えをすること
- 保育園や幼稚園の開始時間まで、または終了時間後に、子供を預かること
- 学校の放課後や学童保育終了後に子供を預かること
- 病院への通院や葬式、結婚式などの行事に参加するにあたり、一時的に子供を預かること
ファミリー・サポート・センターの会員制度
ファミリー・サポート・センターは、基本的に会員制度をとっていますので、会員としてあらかじめ登録しなければ、利用をすることができませんが、これは子育てを援助する側として活動したい場合も同じことです。
ファミリー・サポート・センターの会員としては、大きくは次の3つの種類に別れますが、市町村によっては名称が違っている場合(たとえば、利用会員を「依頼会員」、協力会員を「提供会員」とするなど)もあります。
利用会員
子育て支援のサービスを受ける側の会員
協力会員
子育て支援のサービスを提供する側の会員
両方会員
子育て支援のサービスを受ける側、提供する側の両方を兼ねる会員
ファミリー・サポート・センターの会員登録
ファミリー・サポート・センターは会員制度をとっているため、まずは会員としての登録を行う必要があります。
申し込みは、ファミリー・サポート・センターの事務局に対して行いますが、申込書や保護者の顔写真(証明用写真)などの提出が必要となります。
また、子供を預けるという特殊性から、入会するにあたっては、事務局のスタッフによる説明会や研修会などを受ける必要があり、こうした機会を通じて、ファミリー・サポート・センターの事業内容に納得した上で利用をすることになります。
会員の種類としては、サービスを利用する側の「利用会員」のほか、サービスを提供する側の「協力会員」、その両方にあたる「両方会員」がありますが、いずれも所定の説明会、研修会への参加が必要です。
ファミリー・サポート・センターの対象者
ファミリー・サポート・センターのサービスの対象児童としては、乳幼児から小学生まで、たとえば生後3か月から小学校6年生までといった範囲が一般的ですが、市町村によってはこの条件が狭くなっている場合(たとえば小学校3年生まで)がありますので、利用にあたってはよく確認したほうがよいでしょう。
また、会員になれる保護者の条件としては、ファミリー・サポート・センターの所在する市町村に住んでいて、かつ、子育てをしていることというのが一般的ですが、なかには市町村の外に住んでいても、市内の企業などで働いている場合はOKとしていることもあります。
広域でセンターを設置している場合は、そのエリア内の市町村に在住していれば入会が認められますが、事務所がいくつかに分かれていることもあります。
ファミリー・サポート・センターの事務局
ファミリー・サポート・センターは、基本的に市町村の児童福祉課、子育て支援課などの部局が事業を運営していますが、直営方式の場合は市町村のスタッフ(嘱託公務員など)がみずから行うものの、他の団体に事業を委託する場合も多く、この場合はそれぞれの委託先が窓口となっています。
委託方式の場合には、市町村の社会福祉協議会、子育て支援の活動を行っている社会福祉法人(幼稚園、保育所、認定こども園など)やNPO法人(特定非営利活動法人)が主体となっています。
いずれも児童福祉分野ではそれなりの実績がある団体ですので、市町村がみずから運営するよりも、逆に現場でのノウハウを持っている場合があります。
こうしたファミリー・サポート・センターの事務局には、コーディネーターとよばれる人が配置されており、利用会員の希望条件などをもとにして、適当な地域の協力会員と結びつけるという役割を担っています。
そのほかにも育児の経験が豊富なアドバイザーを置いていたりする場合もありますので、なにか困ったことがあれば相談してみるというのもひとつの手です。
ファミリー・サポート・センターの活動場所
ファミリー・サポート・センターでの子供の預かりは、基本的には協力会員の家庭でということになります。
これも市町村によって違いがあり、公設の児童館や子育て支援センターのような建物内で、集団で預かるという場合もあります。
また、建物を出ての野外活動をしたり、保護者が持参した食事を提供したりといったこともありますが、一部の市町村では、逆に子供に危険が及ばないように禁止している場合もあり、市町村のスタンスによってかなりの差があります。
ファミリー・サポート・センターの安全対策
ファミリー・サポート・センターでは子供を預かるという事業を実施している以上、子供の安全に配慮することはもちろんのことですので、協力会員に対して定期的に研修を受けさせるなどの対応をしています。
それとともに、預かっている最中に子供が事故を起こした場合に備えて、通常は傷害保険に加入しているものです。
ただし、基本的にファミリー・サポート・センターの事業というのは、地域における子育て支援の有償ボランティアのようなものですので、最終的には当事者同士の話し合いにゆだねられてしまう可能性があります。
実際に過去にはファミリー・サポート・センターの紹介した協力会員宅でのトラブルにより、民事訴訟に発展した事例もあります。
そこで、少なくとも十分な保険に加入しているかどうかなどについては、市町村にあらかじめ確認をしておくのがよいといえます。
ファミリー・サポート・センターの利用時間・料金
ファミリー・サポート・センターは、無償で子供を預かるわけではなく、きわめて低価格ではありますが、協力会員に対して一定の報酬を支払うという、有償のかたちになっています。
実際にファミリー・サポート・センターのしくみを利用して子供を預ける場合の料金ですが、市町村ごとにまちまちで、一般に平日であれば1時間あたり500円から1,000円程度となっていますが、時間外や土曜日、日曜日などの場合については、これよりも単価が高くなってきます。
また、一部の市町村では病児・病後児の預かりや、夜間などの緊急時の預かりにも対応していますが、その場合も同様に単価は高くなります。
さらに、利用時間については、たとえば9時から17時まで、6時から22時までなどというように、市町村によってかなりのばらつきがあります。
ただし、時間外や平日以外の利用の場合には、料金が割増となっていることがほとんどです。
このようなことから、利用するにあたっては、あらかじめ市町村のホームページなどで料金制度を確認した上でのほうが望ましいということができます。
ファミリー・サポート・センター関連の補助制度
ファミリー・サポート・センターを使って子供を預ける回数が頻繁になると、いくら単価が安いとはいっても、それなりに家計を圧迫する材料にはなってしまうものです。
そのため、各市町村では、ファミリー・サポート・センターの利用者に対して、一定の補助金、助成金を支出していることがあります。
基本的に公費からの支出となりますので、たとえば年度初めに印鑑を押捺して申請書を提出しなければならなかったり、ほかの用途に使用できないように、専用のクーポン券のようなかたちでの交付となったりすることがあります。
補助金の交付条件についても、すべての利用会員が対象となっている場合のほか、生活保護受給世帯、市町村民税非課税世帯といった低所得者のみとしている場合や、産後に病気になってしまった女性や多産の女性のいる世帯を対象としている場合などがあります。
このあたりは市町村の子育て支援施策のなかで、なにを重視しているかによって異なってきますので、広報誌やホームページで情報を得て、申請を忘れないようにすることがたいせつです。
その他の補助制度
ファミリー・サポート・センターの利用料金の補助制度のほかにも、子育て支援を名目とする補助金、助成金、手当などの制度はいくつかあります。
たとえば、児童手当は市町村の区域内に住んでいるおおむね中学校卒業までの子供を養育している人を対象として支給されます。
児童扶養手当は、父母の離婚などにより父または母と生計を同じくしていない児童を養育しているひとり親家庭などをサポートする目的でつくられた制度で、おおむね18歳までの児童を養育している場合に支給されることになっています。
そのほかにも、市町村で独自の子育て支援補助金などを創設して、該当する世帯に交付しているケースも多くなっています。
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